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最新の法律関係情報個人情報保護法の改正について

個人情報保護法の改正について

誰もがインターネットを利用するようになった昨今、個人情報の流出による個人のプライバシーの侵害が社会問題となるようになりました。
そこで、そのような国民個人のプライバシー権等を保護する趣旨から、平成15年5月23日、個人情報保護法が制定され、平成17年4月1日からは罰則規定を含む全規定が施行されました。

その後、技術の進歩により、指紋や顔認識データについても個人情報とすべきではないかとの議論が起こってきていること、情報漏えいに対する社会的な危機意識が高まったこと、さらには蓄積された膨大な個人情報をビッグデータとして企業が利用するというニーズが高まったことから、このような新しい問題に対応した個人情報保護法の改正法(以下、「改正法」といいます。)が平成27年9月3日に成立しました。

今月は、近時成立した個人情報保護法の改正点について、ご紹介したいと思います。
なお、改正法は、平成27年9月9日公布され、2年以内に施行されるとされていますのでそれまでは現行法が適用されることにご注意ください。

1. 個人情報概念の変更
現行法は「個人情報」の概念として、特定の個人を識別できる情報(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)とだけ、規定されております。
改正法は「個人識別符号が含まれるもの」も個人情報に含まれるとされました。
「個人識別符号」の例としては、指紋データや顔認識データ、さらには旅券番号、運転免許番号等が含まれることが予定されております。
したがって、実務的には、個人情報概念の変更に伴い、各社の個人情報取り扱いに関する同意条項やプライバシーポリシーの改正を検討しなければならないでしょう。

2. 要配慮個人情報
改正法では、現行法にない「要配慮個人情報」という概念が新設されました。
「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、前科・前歴、犯罪被害を受けた事実等が含まれた機敏情報のことをいいます。
改正法では、かかる要配慮個人情報の取り扱いについて、本人の同意を要求しています(法23条)。

3. 匿名加工情報
現行法では、購買履歴、位置情報、端末ID等の情報が、個人情報、すなわち、「特定の個人を識別できる情報(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)」に含まれるかについて疑義があり、ビジネスに萎縮的効果をもたらしているという指摘がありました。
そこで、改正法では、匿名加工情報の定義を新設し、本人の同意なく目的外利用や第三者提供を可能とする枠組みを導入しました。
「匿名加工情報」とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人の情報であって、当該個人情報を復元することができないようにしたものをいいます。

4. その他の改正点
その他の改正点としては、「個人情報保護委員会」という新しい国の機関を新設し、主務大臣から監督権限を一元化し、立入権限を与えるといった監視・権限強化の改正がされています。
また、事業者に対し利用の必要のなくなった個人データは遅滞なく消去に努めるという消去の努力義務を課されるようになっております。
さらに、現行法上、名簿業者による個人情報の第三者への販売行為は、本人の申出があった場合に提供を停止する「オプトアウト」の手続きを踏めば、本人の同意を得なくても可能でした。こうした名簿業者によるオプトアウトの悪用を予防するために、オプトアウト方式による第三者提供には個人情報保護委員会への届け出義務を課しています。
さらに、情報漏洩の内部行為者に対する刑事罰を新設しております。

いかがでしたでしょうか?気持ちよくビジネスを進めるためには、トラブルにならないよう事前に対策しておくことが非常に重要です。
前述したように、改正法の施行はまだですが、個人情報保護法の改正点について、各社のプライバシーポリシーや個人情報取り扱いの同意条項を順次改正して対応する必要があります。

当事務所の弁護士は、現行法、改正法を問わず個人情報保護法を会社が守れているかどうか、新しいビジネスが個人情報保護法に違反していないか等のご相談にも応じておりますので、同法の適用に関し、不安なことがある場合は、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。