抱き合わせ販売と独占禁止法 | 顧問弁護士サービス

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企業法務で注意するポイント

企業法務で注意するポイント抱き合わせ販売と独占禁止法

抱き合わせ販売と独占禁止法

今回は抱き合わせ販売と独占禁止法についてお話したいと思います。

?抱合せ販売とは?
売れ行きの良くない商品の在庫を処分するために、売れ筋商品とセットで販売する、といった方法は通常取引でよく行われることだと思います。ただし、このような「抱合せ販売」は、違法になる可能性があるため、要注意です。
公正取引委員会では、「相手方に対し、不当に商品又は役務の供給に併せて他の商品又は役務を自己又は自己の指定する事業者から購入させ、その他自己又は自己の指定する事業者と取引をするように強制すること。」を「不公正な取引方法」にあたると指定しています。
「抱合せ販売」は、まさにこの「相手方に対し、不当に、商品の供給に併せて他の商品を自己から購入させ」る行為に該当する可能性があります。

抱合せ販売が行われると、買い手は、本来購入する必要のない商品を仕方なく購入しなければならなくなるため、適正かつ自由な商品選択ができなくなる可能性があります。
ですから、事業者の公正健全な競争が阻害されるおそれがあるので禁止の必要があるとされているのです。

?どんな場合に違法と言えるのか?
「抱合せ販売」は、「不当に」行う場合に違法となります。
複数の商品等を組み合わせて販売したとしても、その組合せによっては、顧客にとって便利なこともありますし、経済的に有利なこともあるため、「不当に」行うことが必要となるのです。
この「不当に」行われたか否かの判断は、個々の行為ごとに判断されることになります。
一般に、「不当」か否かは、
(1)業者相互の自由な競争が妨げられていないかどうか
(2)競争が価格・品質・サービスを中心としたものであることにより自由な競争が秩序づけられているかどうか
(3)取引主体が取引の拒否及び取引条件について自由かつ自主的に判断することが可能かどうか
によって判断されると言われています。
これらについて、個々の行為の具体的な態様、商品の特性、流通取引の状況、行為者の市場における地位等、市場の状況をみながら、当該行為の意図と効果・影響をみて判断することになります。
 
?実際の例
近年、抱合せ販売に該当するのではないか、と話題になったケースについて簡単に検討したいと思います。

(1)違法にならなかった例
まず、某アイドルのCDに握手会に参加するチケットを特典として付けているケース。
こちらは非常に有名な話ですが、実際には「抱合せ販売」に該当しない、とされています。
なぜなら、握手会参加のチケットというのは、単品で市場に流通されているものではなく、あくまで、「特典(おまけ)」とされているため、チケットのみを単品で購入する、という市場における選択がない、とされているからです。
このチケットは、CD購入後、ネットオークションに多数出品され、高値が付けられているものもあり、単品で市場流通していない、という点について疑問が残りますが、元々、単品で正規に販売されていたものではないことからすれば、やはり、直ちに違法、とまでは言えない限界事例だと思われます。

(2)違法となった例
次に、公正取引委員会から違法勧告を受けたケース。
世界的大手のソフト制作会社であるA社が国内の主要パソコン製造販売業者に対して、自社の表計算ソフト(当時市場占拠率第1位)を、ワープロソフト(当時市場占拠率第2位)、スケジュール管理ソフトと併せてパソコン本体に搭載して出荷する権利の許諾契約を締結することを受け入れさせたという件です。
A社のかかる行為によって、A社のワープロソフト及びスケジュール管理ソフトが市場占拠率第1位を占めるに至っています。
この件では、A社が自社のワープロソフト及びスケジュール管理ソフトのシェアを上げるために表計算ソフトとの抱合せ販売を行った意図が推認され、そのような意図がまさに「不当」と判断されたケースと言えるでしょう。

?最後に
以上のように抱合せ販売は、販売方法としての有効性が認められながらも、販売方法としての是非を問われがちなケースが多く、その要件については慎重な検討が求められると言えます。
お困りの際は是非弁護士にご相談ください。