TPPによる導入される可能性のある著作権法上の制度と問題点 | 顧問弁護士サービス

0120-666-694
営業時間 平日9:30~21:00

弁護士コラム

企業法務で注意するポイント

企業法務で注意するポイントTPPによる導入される可能性のある著作権法上の制度と問題点

TPPによる導入される可能性のある著作権法上の制度と問題点

いよいよTPP交渉も大詰めとなっていますが、関税問題の他にも激しい交渉が繰り広げられているテーマがあります。それが著作権です。

今月は、TPPによって日本に導入されるかもしれない著作権法上の制度とその問題点についてお話をさせていただきます。

?非親告罪化

我が国の現行法では、著作権を侵害しても、権利者が告訴しない限り処罰されません(親告罪)。

しかし、TPPによって著作権侵害が非親告罪化される可能性があります。つまり、権利者が告訴しなくても、侵害者が処罰される可能性があるということです。

例えば、著作権侵害となるパロディーは悪質なものでない限り権利者によって黙認されてきましたが、非親告罪化されれば権利者が黙認していても処罰される可能性があります。

確かに、非親告罪になっても警察が実際にどの程度動くかについてはわかりません。しかし、処罰される可能性があるというだけで、現場を萎縮させてしまいかねないという問題があります。

?法定賠償金制度

次に、TPPによって導入される可能性があるものとして、法定賠償金制度があります。これは、著作権侵害者に対し、実損害の証明がなくても裁判所が賠償金額を決められる制度で、権利者が実際に被った損害以上の賠償金を裁判所が命じることが可能になります。

例えば、米国では1作品あたり最高で15万ドルの賠償金の支払いを命じることができることになっています。

権利者の立場では、賠償を求めやすくなるという側面がありますが、この制度が導入されることによる懸念は、このような高額な賠償金や和解金を獲得することだけを狙って著作権を買い漁る企業、「コピーライトトロール」の出現です。

このような著作権訴訟をビジネスとする企業が現れれば、ますますこれまで黙認されてきた創作活動を萎縮させるおそれがあります。

?保護期間の延長

最後に、著作権保護期間の延長です。

日本の現行法では著作権保護期間は死後50年間ですが、TPPによってこれが死後70年に延長される可能性があります。

権利者は、「保護期間が延びるだけ得じゃないか」と思うかもしれません。しかし、50年後に流通しているコンテンツは少数と思われますので、さらに20年延長されて収益が増えるような権利者は限られてくるでしょう。

むしろ、保護期間を延ばすほど権利者の発見が困難になるため、作品の利用が制限され、ビジネスの機会が狭まってしまうというデメリットの方がよほど大きいのではないでしょうか。

当事務所には、著作権、特許、商標など知財産権に精通した弁護士、弁理士がおりますので、知的財産権についてご不明なことがある場合には、当事務所の弁護士にご相談ください。